2012年09月26日

陸奥宗光

メトロガイド10月号に陸奥宗光が外務大臣になってから120年を迎えたことによる特集記事があり、読んでみたところ、波乱に満ちた人生でしたが、とても面白い人生を歩んでいる人物だと知り拝借してみました。
陸奥宗光と言えば、以前、NHKの大河ドラマで見た「龍馬伝」で平岡祐太が演じていた陸奥宗光(陽之助)を思い出します。坂本龍馬からも一目置かれていた陸奥宗光、これから勉強したいと思います。


陸奥宗光
陸奥宗光

激動の明治時代に、陸奥宗光が日本を世界に認めてもらう礎を作ったからこそ、今の日本があるといっても過言ではありません。欧米列強を相手に渡り合った、切れ味鋭い政治家の姿こそ、尖閣諸島をはじめとする領土問題、拉致、在留米軍などの難問を抱える現代の日本に求められる人物像です。今年は和歌山県が生んだ偉人、陸奥宗光の外務大臣就任から120年を迎えます。

<不平等条約の改正を実現した正義感>
陸奥宗光の業績の第一は、治外法権の撤廃や関税自主権の回復、つまり列強各国との不平等条約の改正です。
外務大臣の就任は1892年。48歳の時です。明治政府にとって不平等条約の改正は、開国以来の悲願。それまでの数度の交渉は失敗でした。宗光が目を付けたのは、清国を狙っていたイギリス。その思惑にうまく働きかけ、1894年に治外法権の撤廃と関税自主権の一部回復を盛り込んだ日英通商航海条約締結に成功しました。この鋭い洞察力、冷静かつ明快な外交手腕こそ「カミソリ大臣」と称されるゆえんです。これをきっかけに、他国とも改正条約を締結していきました。この時こそ、近代日本が欧米列強のひしめく国際社会の仲間入りをした瞬間でした。
この偉業の影には、ひとつの事件があります。1886年、イギリス船が和歌山県沖で座礁し、日本人乗客全員が死亡するノルマントン号事件です。日本には外国人を裁く権利がなく、イギリス人船長たちは無罪に。この出来事は、陸奥宗光の心に強い衝撃を与え、後の治外法権撤廃の原動力となったのです。
20代の時にも明治政府の地租改正局長まで務めながら、薩長の藩閥政府に憤りを覚えて官を辞しています。「間違っている」と感じたら、巨大な相手にもひるまずに立ち向かう正義感は陸奥宗光の大きな魅力です。

<不屈の精神と猛勉強で人生を切り開く>
でも陸奥宗光がすごいのは、何度もどん底に落ちながら、そこから一回り成長した姿で復活する不屈の精神と努力です。生家は紀州藩の重臣でしたが9歳の時に父が失脚。村々を放浪する苦しい生活の中で勉学に励み、15歳で江戸に登ります。坂本龍馬、勝海舟と出会い、海援隊に参加し開国の必要性に開眼。その先見性は、坂本龍馬をもって「刀を差さぬとも食っていけるのは、俺と陸奥だけだ」と言わしめたほどです。
明治政府の官吏を辞した後も、立憲政治を目指す流れのなかで、元老院議官となり再び国政の舞台に舞い戻ります。それもつかの間、西南戦争の際に政府転覆を謀(たばか)った土佐派と連絡を取っていたことで、5年の刑を受けて投獄されます。ここでも陸奥宗光は逆境に屈せず勉学に励み、出獄後に復活し、ヨーロッパ留学へと旅立ちます。
激動の時代のなかで、陸奥宗光の能力は遺憾なく発揮されました。留学後、40代で駐米公使、駐メキシコ公使、農商務大臣を経て1892年に外務大臣に就任。条約改正の偉業を達成します。日清戦争後の下関講和条約では、全権大使として日本を有利に導きました。日本外交の礎を築いた陸奥宗光の像は今も外務省に置かれています。

外務省構内に建つ陸奥宗光像
陸奥宗光

その数奇な運命は単なるジェットコースター人生ではありません。数々の難問を抱える現代日本に陸奥宗光のような実行力と、洞察力、そして強い信念をもった政治家がいたらと思うのは、万人の気持ちでしょう。外相就任から120年の節目に当たるいまこそ、陸奥宗光を見直す好機です。

陸奥宗光
1895年日清戦争後の講和会議のワンシーンを描いた小林清親の「講和談判会見之図」。中央に立つ陸奥宗光の右隣が伊藤博文。他にも清国全権大臣の李鴻章などが描かれている。


進化する紀州魂 2012 vol.18
困難に立ち向かった二人の紀州人

徒然なるままに地元の『温故創新』を訪ね歩る記
紀州(和歌山)と坂本龍馬の関わりについて(その1)
紀州と坂本龍馬の関わり・その2「いろは丸」事件
紀州と坂本龍馬の関わり・その3「龍馬暗殺」
紀州と坂本龍馬の関わり・その4.陸奥陽之助(宗光)

ノルマントン号事件 Wikipedia


2012年12月1日(土)
明治大学・和歌山県連携講座 外務大臣就任120周年 陸奥宗光シンポジウム
~和歌山県(紀州藩)が生んだカミソリ大臣、陸奥宗光と日本外交~
https://academy.meiji.jp/course/detail/962/
無料と書かれていたので、講演を聴いてみたかったのですが、会員登録料が3,000円必要なので諦めました。


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Posted by 鈴木 俊平 at 11:03│Comments(0)日記
 
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